タイ・カンボジア旅行記 2008年
2008.11.222008.11.25

はじめに   1日目   2日目   3日目   4日目


3日目
 目が覚めたのは3時。日本時間で5時。まあいつも目を覚ます時間です。だけど、朝日鑑賞に行くわけでもないので、現地時間の6時くらいまでのんびり寝るつもりでした。が、3時頃から近所のニワトリがけたたましく鳴きだし、それに呼応するかのようにゲストハウスで飼っている犬まで鳴きだしました。眠れるわけありません。こんなことなら朝日鑑賞に行くべきでした。乾季だからそれなりに綺麗な朝日を拝めたでしょうしね。

 その後ベッドでごろごろしたり朝食をとったりしていると、この日の観光が始まる9時になりました。ロビーで前日と同じガイドとドライバーの兄弟に会うと、すぐに大回りコースの観光に出発です。小回りコースと呼ばれるのはアンコールワット、アンコールトム、そしてタプロームなど、日本人になじみの深い遺跡を回るコース。それに対し、大回りコースはプレ・ループ、タ・ソム、プラサット・バッチュムなど、アンコール遺跡群外周上に点在する遺跡を巡るツアーです。

アンコール遺跡の粋を極める
アンコール遺跡群大回りコース/GRAND TOUR

アンコール遺跡群外周上に点在する個性溢れる遺跡群を巡るツアーです。
コース内容
 「肉体と魂を分かつ場所」プレ・ループ
 「古の巨大貯水池跡」東メボン
 「嘆きのデバター」タ・ソム
 「治癒の池」ニャック・ポアン
 「聖なる剣」プリア・カン
 「夕陽の山」プノン・バケンから夕陽観賞

●その他、ご希望によりプラサット・クラヴァン、プラサット・バッチュム、バンテアイ・プレイ、クルオ・コーもコースに追加可能です。(※追加料金不要)

ゲストハウスのHPに掲載されていた大回りコースの紹介文より

一つ一つの遺跡でガイドさんが詳しく説明してくれ、その度に「へぇ〜」とうなづきつつ写真を撮ったりしました。ただ、アジアの遺跡観光時はいつもそうなのですが、観光が終了したときには説明をほとんど覚えていません^^;。理由は2つあるんです。一つはどの遺跡も同じように見えてきてしまい、後からデジカメでチェックしても区別がつかないということ。2つ目の理由は、ヨーロッパの大きな世界遺産と違い、アジアの遺跡は一つ一つのレリーフや彫刻にこめられた意味合いなどが複雑で、ぱっと見ただけでその凄さを理解できるものが少ないからだと考えています。

アンコールトムの南大門前には多くの
韓国人観光客がいました。

 大回りコースで見て周った多くの遺跡。ワットなどと比べると規模が非常に小さく、私以外の観光客が誰一人いないものもいくつかありました。もちろん、アンコールワットのような派手さや豪華さはないものの、どの遺跡にも綺麗なレリーフなどがあったり、あるいは、なぜこんな場所にこんな形の寺院を建設したのだろうか?という素朴な疑問を抱いたりと、けして飽きのこない有意義な時間を過ごすことができました。古代に思いをはせるロマンといえば良いでしょうかね。ただ、どこの遺跡にも行っても、アンコールワットとは違い日本人の姿をほとんど見かけず、十人〜数十人単位で行動する韓国人の集団をよく目にしました。シェムリアップを訪問する外国人の50%が韓国人というのも納得です!

この日訪問した遺跡の数々。

上にも述べたように、これを書いている2週間後には写真を見ながらでも、「ここはなんという名前だったっけ?」、「この遺跡の目玉は何だったかな?」という状態です。逆に、HPにまとめるためにガイドブックなんかをみて、「へぇ〜そんな凄い遺跡だったのか!」と今になってから感激することもあるくらいです。そんな遺跡観光中の出来事で、ある遺跡での何気ないことが今でも忘れられません。帰国後に、色々な人にその経験を語ったほどです。

 場所は観光客が一人もいない、奥まった場所にある遺跡でのことです。ガイドいわく、「この遺跡には
1日に1人しか訪れないと思いますよ」。ちょうど小雨も降り出し、あまりいい気分ではなかったのですが、他の遺跡を観光しているとき同様に物売りの子供が寄ってきました。7歳のお兄さん、そして4歳くらいの妹でしょうか。買う気もないのに話を聞いてあげるほど残酷なものはない、そう考える私は子供たちと顔をあわせることもほとんどしません。一日中何十人もの子供たちに声をかけられるのですから、「可愛そうだから」と一つずつ買っていたら大変なことになってしまいます。

 この遺跡でも、最初は買うつもりもなく子供が付いてきているのに知らないふりをしていました。だけど、ガイドの言うとおり
私以外に誰もいないし、これからも誰も来そうにありません。しかもこの雨です。「絵葉書くらいなら買ってもいいかな?」と、お兄ちゃんのほうが売っていた10枚一組の絵葉書を1ドルで購入しました。安いですが、写真の画質も、それなり。おそらくちゃんとしたものからコピーして作ったまがい物だと思います。最初から質なんか期待していないのでどうでもいいのですが。お兄ちゃんから買ってあげたとき、二人の服装を見ると泥だらけの服を着ているし、二人とも素足です。「本当は葉書なんか要らないから、お金を上げるだけのほうがこの子たちにはいいのだろうな・・・だけど、物を売る喜びを感じ、なかなか売れないことを知るのも彼らの勉強だよな・・・」などと思っていると、まだちゃんと歩くことのできない小さな妹がどこかに走って行きました。しばらくして戻ってきた妹の手にはお碗のようなものが。「これはやしの実から作った食器ですよ」と。確かに、やしの実を2つに割った形をしてます。これも1ドルだと思うのですが、妹のほうはさすがに片言の日本語も英語も話せません。だけど、「兄ちゃんから買ったのだから私からも買ってよ!」というそぶりで私を追いかけてきます。その一生懸命な姿に感動してしまった私。さすが日本につく前に粉々になるのが分かっているので、「買えないよ〜!」とジェスチャーを送ると、悲しそうな顔になると思いきや、人懐っこそうにげらげらと大笑いするその女の子

 その後、トゥクトゥクに乗り込み、来た道を戻る
私をずっと送ってくれた兄弟たちでした。たった1ドルでこのような感動を得られ、胸がいっぱいの私でした。そんな私を見てガイドさんが教えてくれました。「今の子供たちは、遺跡の警備をしている警察官の子供たちだよ」と。他の遺跡でも同様らしいのですが、お父さんは本職の警備員をし、お母さんはクーラーボックスに入っている飲み物を売ったり、カットフルーツを作って売ったりしている。そして子供たちは絵葉書などの小物を売って、家族全員で生計を立てていると。ガイドさんの説明では、警察官の給料は月給わずか$20とのこと。いくらい郊外とはいえ、一家の生活費としては、1日に2〜3ドルはかかるらしいので、当然家族で協力していかねば生きていけません。観光客の多い遺跡なら飲み物も多数売れるでしょうし、子供たちもそれなりの数を売ると思います。だけど、私が最後に訪れた遺跡は・・・。

スラスラン前のレストランでとった食事。 フランスの植民地だった
カンボジアでは パンがとってもおいしかったりします。

 こんな話を聞きながら市内中心部に戻りました。時間はまだ2時ほど。前日に「お菓子のお土産を買える場所に連れて行って欲しい」とガイドさんに言っていたため、そのまま中心部より少し離れた場所にあるお菓子のティータイムというお店に連れて行ってもらいました。日本の資本も入っていいるのか、日本語のHPもあるし、店内中日本語の説明だらけ。店員はかつての孤児たちが成人して働いているとのこと。ここで、伝統的なお菓子らしいノム・トム・ムーンを購入しましたが、完全に観光客価格です。しかも、2Fのカフェでの飲み物はビールも含めて無料です。おそらく、ガイドにもそれ相応のバックがあると思われますが、お菓子自体はとってもおいしく、帰国後に職場のかたがたに配ったときも「おいしいね!」といってもらえました。なお、空港でも同じものが買えますし、価格も同一でしたので、多数購入する場合にはクレジットカードが使える空港売店のほうが良いかもしれません。

ノム・トム・ムーンを手作業でつくる女性たち。製品用は別の場所で作っているようです。

 お土産購入後、ゲストハウスに戻ったのが3時頃。ガイドとドライバーの兄弟に相応のチップを渡して観光が終了しました。その後、着替えをし、荷物を整理してもまだ空港に戻る時間には早すぎます。市内の観光は前回しているし、さすがに疲れきっています。新しく近くにできたコンビニで買い物をしただけで、結局部屋でゴロゴロ←実は海外での観光後のゴロ寝、大好きなんです。一日の観光の感想を自分の中で整理、消化していくには格好の時間だと思うんです。自分にとっての最高の贅沢です☆。コンビニで買い物をして思ったこと。それは「タイよりもずっと値段が高いな〜」ということ。外国人を相手にしているからでしょうけど、日本とそんな変わらない値段が付いています。さらには、商品自体もカンボジアのものが少なく、タイやシンガポールなどの製品が多いし、お菓子なんかは、日本の100円ショップで売っているアジア製のものがそのまま売っていました。当然外箱も日本語のまま。価格は100円ショップで買ったほうが安いくらいです←改めて、100均のありがたみを感じたHIROでした。

 夕方6時過ぎ。すっかり暗くなったシェムリアップの町を空港に向けて送ってもらいました。
わずか1泊2日の今回のシェムリアップでしたが、午前着、夕方発の便だったため、実際には結構色々と周ることができたと思います。6号線を空港に進む間、道の両側に立つ無数のハングル文字の看板を見て、「完全に観光地化したこの町は今後どうなっていくのだろうか?」と考えてしまいました。やはり、同じ町を数年後に再び訪れると、いろいろと考えさせられることも多く、有意義な観光ができると思います。

 空港に到着したのが19時。2日間お世話になったドライバーにもう一度お礼を言ってから、新しく、そして大きくなった空港ビルに入りました。時間的なものか非常に混雑していましたが、その
ほとんどがツアー客。「個人で旅行をしている人はこちらに!」、そう日本語で案内してもらいすぐにチェックインを済ませることがました。前回もそうでしたが、こういう異国の地で日本人スタッフのありがたい言葉を聞けるととっても嬉しいものです←日本人にはあまりなじみのないこのバンコク航空には、日本人客室乗務員もいるんですよ〜。

 ただ、出国後何気なく搭乗券を見てびっくり。
予約してあった(航空券をもっていた)便とは違う便の搭乗券なんです。一瞬、「他の人のを持っているのかな?」と名前をチェックしてしまったほど(^_^;)。だけど名前は確実に私です。どうやら、かなり空港に早く着いたため、地上係員が気を利かせ1便早くしたものと思われます。だけど、その分、寒くてベンチの少ないバンコクの空港にいる時間が長くなってしまうし、そもそも、便を変更したら一言くらい私に言ってもいいと思いません?!係員が言ったのは、わずか一言「ナリタ!」。荷物は成田までスルーだよ、という意味なんでしょうが、それより大事なことがあるでしょう?便を変えたのだから(笑)。こういういい加減さがカンボジア流なのかもしれません。

満員のB717でした。写真のジュースとお水に加え、コーヒーや紅茶のサービスもあります。

 1時間後に搭乗した機材はB717。前回も同じ機種でバンコクに戻ったっけ〜と思っているとすぐにバンコク到着です。実質的な飛行時間は30分ほどでしょうか?それでも機内食のサービスがあるのですから、日本のエアラインも見習ってもらいたいものです。


はじめに   1日目   2日目   3日目   4日目

TOPページに戻る

   

inserted by FC2 system