ネパール・タイ旅行記 2010年
2010.1.6〜2010.1.10


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4日目
 寒さのために2時には寝が覚めてしまいました。まあ、日本時間の5時過ぎなのでいつもと同じといえば別に早起きでもありません。真っ暗な中ベッドでごろごろして朝日が昇るをまちました。この日は6:50に完全に日が昇るらしく、6時過ぎからは空がほんのりと赤くなり始めます。部屋のベランダからも綺麗な空を見ることができるのですが、如何せん、他のホテルの屋上に設置されたソーラー発電のパネルが邪魔(笑)。寒さ対策をしっかりとして、ホテルのレストランの屋上に向かいます。朝日を浴びたヒマラヤ連峰の山々。夕陽のように赤く染まるのかな?と思っていたのですが、それは勘違い。太陽に面した山肌がスポットライトを浴びたかのように輝きだすんです。それも、一気にではなく、次第に。それはそれは言葉では形容できないほどの美しさでした。この景色を眺めるためにわざわざこんな高地までやってきたのも納得です。

左、部屋からの眺め。中央太陽に照らされ赤みを帯びた山々。右。標高2100メートルの雲海の上で見る朝日。

 本来、この日は下山してカトマンズ市内の観光予定でした。ですが、ガイドさんが予定を早めて出発し、本来は8時出発予定の遊覧飛行に乗れる能性にかけてみては?と勧めてきます。結果的にこれが大正解となるのですが、このときはそんなことを考えもしませんでした。

 標高2100メートルのナガルコットから下を見るとまるで海が広がるように雲がかかっています。まさに雲海。当然、カトマンズはこの雲の中。冬季間は10時頃まで霧が晴れず、視界が開けないカトマンズの街。当然、有視界飛行の小型機が飛べるはずがありません。それで8時に出発し1時間かけて下山しても、8時出発の飛行機が離陸前ということになるんです。もっとも、日によって視界が開ける時間に差がありますが、この日は9時に飛行機が飛べるようになりました。ベテランのガイドさんなんで、航空会社の職員に直接電話し、私が乗るまで離陸を待たせてくれました。当然、港到着後は地上係員に連れられて猛ダッシュで飛行機に向かいます。ただ、このときトイレに行きたかったのですが、なんど言っても、トイレに行せてもらえません。もちろん、飛行機の離陸を待たせているので仕方ないのですが、トイレのない飛行機なんで着陸するまで我慢することになりました。もらさずに済んだけど、ぎりぎりでした(笑)

左。霧に包まれた空港。遊覧飛行のための小型機が並んでいます。中央。非常に狭い機内。右、行き先は「山」(笑)

30人乗りの小型機による遊覧飛行。3列の座席の飛行機ですが、全員が窓側に座れるように中央席は利用しません。なので20人の乗客が乗り込みます。そして、女性の客室乗務員。まあ、セーフティーインストラクションもなかったし、小型機なので乗務の必要がないので、本当のCAさんではないのかもしれません。ですが、搭乗直後に飴や綿(←耳栓代わりです)を配ったり、水平飛行になったときに操縦室に乗客を一人ずつ案内してくれました。はい、そうなんです。ハイジャック事件を防ぐため、今では大手のエアラインでは考えられない操縦室へ入ることが可能なんです。私は3番目に呼ばれました。中に入ると機長さんが、英語で「あれがエベレストだよ!」と教えてくれました。生まれて始めてみるエベレスト。世界最高峰のあの山が私の目の前に見えるんです。写真では若干ぼやけていますが、自分の目でみたエベレストは、それはそれは美しい姿でした。

初めて入る飛行中の操縦席。そこから正面に見えたものは・・・エベレスト!!

20人全員が操縦室に呼ばれるまでの間も、乗務員の女性はカメラを構える乗客に山々の名前を教えてくれます。まあ、エベレスト以外の山の名前は聞いても理解できませんでしたけど。

実際には、左の写真くらい小さく見えるエベレストですが、光学20倍で一気にズームイン!

空港到着後、バスに乗せられて移動します。てっきりターミナルに移動すると思ったのですが、なんと空港駐車場まで送られてしまいました。

これが今回の搭乗機です。イエティー航空・・・
雪男航空の意味ですね^^;

なので、トイレがない!ガイドさんも乗る前からトイレに行きたがっていたのを知っていたので、そのまま観光に出るのではなく、まだ10時過ぎだけど、この日泊まるホテルにチェックインしてトイレ休憩をとれるようにし配慮してくれました。ただ、このとき部屋までついてきたベルボーイ。チップのために、深夜寝ているときに部屋に電話してきたり、感じの悪い男でした。

部屋の広さも調度品もまずまずでした。

30分ほどの休憩後、まず午前の観光、パタン市内に向かいます。カトマンズに隣接しているため、橋や川がなければパタンについたという実感がないのですが、車を降りて歩いてみると、前日歩いたナガルコットののんびりした感じとは違い、人々にも活気が感じられますし、華やかな感じもします。この街も世界遺産になっていることからもわかるとおり、多くの歴史的建造物が立ち並んでいました。

ほこりと排気ガスで充満した市内中心部。人々の移動手段はバイクや3輪自動車が中心のようです。満員の三輪車にしがみつく乗客。

1時間半ほどの観光の後、昼食となったのですが、この日のメニューは「ヒマラヤ蕎麦」。

いたって普通のそばとそば団子でした。でも、考えてみると「そばが育つ=やせた大地」ということなんでしょうね。

日本で修行を積んだネパール人が経営している蕎麦屋さんなのですが、そば粉を含め、材料こそネパール産ですが味そのものは日本の蕎麦そのものですし、日本で食べたとしてもおいしいと思えるほどの味でした←うどんよりも蕎麦が好きな私です。

パタン市内の様子。この町並みが世界遺産に指定されています。ただ、渋滞がひどく、車のホーンの音がこだましていました。

午後の観光はカトマンズ市内。パタン市内も活気があると思っていましたが、カトマンズは活気というより、むしろ人人人。人の多さ、そして四方八方から聞こえてくる車やバイクのクラクションの音など、騒音に近い音に満たされた空間でした。

上3枚。水汲みを頑張る子供たち。
左下。歴史的建造物も子供たちの遊び場。

<おまけ>
汚れた公衆電話機。でもカード式なんです。

正直、ナガルコット、パタンと同じような建築様式のものを多数見てきたため、特段の感激などはなかったのですが、一つだけ驚いたことがありました。

カトマンズ市内を一望できる小高い丘にある、通称「目玉寺」、正式名スヤワンブナートは・・・サルの楽園でした。

まあ、事前学習が不十分だったためなのですが、今なお、幼女をクマリと呼ばれる「生き女神」として祭っているということでした。

クマリの館の外見とその内部。呼びかけると、上階の中央の窓から一瞬だけクマリが顔を出します。写真撮影は禁止です。

今の女神は僅か4歳。こんな小さな少女なのですが、初潮前のけがれのない女の子という絶対条件があるため仕方ないんです。選ばれた少女は親元から離されて暮らし、神としての振舞い方などを学んでいきます。しかし、通常はこのクマリの館内部での生活に限られており、その生活が幸せなものなのかどうかは・・・私にはわかりません。ただ、一瞬だけお目にかかったクマリの無邪気な笑顔に心を打たれてしまった私でした。なお、2008年に王制が廃止されるまで、クマリは常に国王との関わりで選ばれていたため、今後は何かしらの変化があるのかもしれません。

カトマンズの中心部にて。とにかく人人人!そして露店や土産物屋の多いこと!ついでに、大きな荷物を担いだ荷役も多かった〜!

夕食は5時から。ネパール舞踊を見ながらのネパール料理。ただ、広いレストランに客は私とガイドさんが居るだけ。貸切です。贅沢ではあるのですが、この状態ではずっと舞踊を見てあげないと踊り子さんたちが可愛そうですし、チップも私だけが払わねばなりません。と、いうわけで落ち着いて食事ができないんですよ。しかも、停電中のため自家発電で一部しか明かりがついていませんでした。

食事の前には明るかった町並みも、1時間後に外に出てみると真っ暗。通り沿いのお店も自家発電中で最低限の照明に絞っていますし、街灯なんてものはついていません。せっかくネパールの首都に居るのだから、町に繰り出してみよう、そう思っていました。ですが、ガイドブックにも書いてある通り、夕方以降は旅行客が一人で歩くような街ではないようです。

これでこの日の予定はすべて終了です。ホテルに戻って暖かいバスタブに浸かろうと思ったけど、お湯が出るのは最初の数分だけ。昨年のインド旅行同様、電気ポットで熱湯を沸かしながらバスタブに注いで、なんとか入れる温度にしてしばしの入浴タイムとなりました。ぬるかったけど^^;

ネパール料理とエベレストビール。
どちらも・・・口に合わなかったです。

私一人のための民族舞踊のショーでした。

時差と疲れで22時には消灯したのだけど、眠った途端に電話がなって起こされてしまいました。電話の主はベルボーイ。チェックインしたときに荷物を運んでくれた男だけど、そのときにチップをあげたものだから、「明日のチェックアウトに時間は?」と聞いてきました。もちろん、荷物を運んでまたチップをもらおうとしているのがみえみえ。一応「9時チェックアウト」とは伝えたけど、寝ているのを起こされてしまったので、「明日早起きしてコイツの世話にはならないぞ〜」と思い再び眠りに付きました。


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