4日目
本来、この日は下山してカトマンズ市内の観光予定でした。ですが、ガイドさんが予定を早めて出発し、本来は8時出発予定の遊覧飛行に乗れる能性にかけてみては?と勧めてきます。結果的にこれが大正解となるのですが、このときはそんなことを考えもしませんでした。
30人乗りの小型機による遊覧飛行。3列の座席の飛行機ですが、全員が窓側に座れるように中央席は利用しません。なので20人の乗客が乗り込みます。そして、女性の客室乗務員。まあ、セーフティーインストラクションもなかったし、小型機なので乗務の必要がないので、本当のCAさんではないのかもしれません。ですが、搭乗直後に飴や綿(←耳栓代わりです)を配ったり、水平飛行になったときに操縦室に乗客を一人ずつ案内してくれました。はい、そうなんです。ハイジャック事件を防ぐため、今では大手のエアラインでは考えられない操縦室へ入ることが可能なんです。私は3番目に呼ばれました。中に入ると機長さんが、英語で「あれがエベレストだよ!」と教えてくれました。生まれて始めてみるエベレスト。世界最高峰のあの山が私の目の前に見えるんです。写真では若干ぼやけていますが、自分の目でみたエベレストは、それはそれは美しい姿でした。
20人全員が操縦室に呼ばれるまでの間も、乗務員の女性はカメラを構える乗客に山々の名前を教えてくれます。まあ、エベレスト以外の山の名前は聞いても理解できませんでしたけど。
空港到着後、バスに乗せられて移動します。てっきりターミナルに移動すると思ったのですが、なんと空港駐車場まで送られてしまいました。
なので、トイレがない!ガイドさんも乗る前からトイレに行きたがっていたのを知っていたので、そのまま観光に出るのではなく、まだ10時過ぎだけど、この日泊まるホテルにチェックインしてトイレ休憩をとれるようにし配慮してくれました。ただ、このとき部屋までついてきたベルボーイ。チップのために、深夜寝ているときに部屋に電話してきたり、感じの悪い男でした。
30分ほどの休憩後、まず午前の観光、パタン市内に向かいます。カトマンズに隣接しているため、橋や川がなければパタンについたという実感がないのですが、車を降りて歩いてみると、前日歩いたナガルコットののんびりした感じとは違い、人々にも活気が感じられますし、華やかな感じもします。この街も世界遺産になっていることからもわかるとおり、多くの歴史的建造物が立ち並んでいました。
1時間半ほどの観光の後、昼食となったのですが、この日のメニューは「ヒマラヤ蕎麦」。
日本で修行を積んだネパール人が経営している蕎麦屋さんなのですが、そば粉を含め、材料こそネパール産ですが味そのものは日本の蕎麦そのものですし、日本で食べたとしてもおいしいと思えるほどの味でした←うどんよりも蕎麦が好きな私です。
午後の観光はカトマンズ市内。パタン市内も活気があると思っていましたが、カトマンズは活気というより、むしろ人人人。人の多さ、そして四方八方から聞こえてくる車やバイクのクラクションの音など、騒音に近い音に満たされた空間でした。
正直、ナガルコット、パタンと同じような建築様式のものを多数見てきたため、特段の感激などはなかったのですが、一つだけ驚いたことがありました。
まあ、事前学習が不十分だったためなのですが、今なお、幼女をクマリと呼ばれる「生き女神」として祭っているということでした。
今の女神は僅か4歳。こんな小さな少女なのですが、初潮前のけがれのない女の子という絶対条件があるため仕方ないんです。選ばれた少女は親元から離されて暮らし、神としての振舞い方などを学んでいきます。しかし、通常はこのクマリの館内部での生活に限られており、その生活が幸せなものなのかどうかは・・・私にはわかりません。ただ、一瞬だけお目にかかったクマリの無邪気な笑顔に心を打たれてしまった私でした。なお、2008年に王制が廃止されるまで、クマリは常に国王との関わりで選ばれていたため、今後は何かしらの変化があるのかもしれません。
夕食は5時から。ネパール舞踊を見ながらのネパール料理。ただ、広いレストランに客は私とガイドさんが居るだけ。貸切です。贅沢ではあるのですが、この状態ではずっと舞踊を見てあげないと踊り子さんたちが可愛そうですし、チップも私だけが払わねばなりません。と、いうわけで落ち着いて食事ができないんですよ。しかも、停電中のため自家発電で一部しか明かりがついていませんでした。
時差と疲れで22時には消灯したのだけど、眠った途端に電話がなって起こされてしまいました。電話の主はベルボーイ。チェックインしたときに荷物を運んでくれた男だけど、そのときにチップをあげたものだから、「明日のチェックアウトに時間は?」と聞いてきました。もちろん、荷物を運んでまたチップをもらおうとしているのがみえみえ。一応「9時チェックアウト」とは伝えたけど、寝ているのを起こされてしまったので、「明日早起きしてコイツの世話にはならないぞ〜」と思い再び眠りに付きました。 |