広島ちょこっと旅行記
2015.07.242010.07.27


はじめに
 3度目の広島県。とはいえ、すでに前回の訪問から10年以上も経過しております。とはいえ、今回も学会発表での訪問。観光ではありません。もちろん、用務が終了した後、隙間の時間を活用しての観光はOK。と、いうわけで今回は以下の3か所を急ぎ足ではありますが、観光してきました。

大和ミュージアム
 学会の会場が広島大学でした。そのため、短時間ではありましたが以前より訪問したいと考えていた呉市海事歴史科学館、通称、大和ミュージアムまで行くことができました。明治時代以降の造船の街、あるいは軍港・鎮守府としての呉の歴史などが展示されているのですが、その中でも、入り口を入ってすぐの場所にある実物の10分の1サイズの戦艦大和の模型が有名です。10分の1とはいえ、全長は26.3メートル!しかも、大和に関して、新たに判明した史実や資料があれば随時それに合わせて改装されているとのこと。
 戦後70年という年、それは戦艦大和が海に沈んでから70年目でもあります。ここまでは当然のように認識しながら訪問したのですが、実は、広島到着後にわかったたのですが、今回は偶然にも、1945年7月24日の呉軍港空襲からちょうど70年目という日に広島に到着したため、その翌日の25日に大和ミュージアムを訪れたことになります。そして、広島滞在中であった7月26日は、実は、日本軍に無条件降伏等を求めた「ポツダム宣言」が日本に対して発せられた日でもありました。これは、この旅行記を書いている際に知った事実でもあります。日本はその後、知っての通り8月15日にこのポツダム宣言の受諾と戦争の終結を国民に発表したのでした。

大和ミュージアムの入口前には、大和のいかり、主砲の砲身、スクリューの実物大模型が!

 以前より、「平和再発見」が私の旅のテーマでした。原爆ドームはもちろん、ひめゆりの塔やベルリンの壁、B29エノラゲイなど、少しずつではありますが、自分なりに史実と向き合うことを目的に旅をしてきました。大和ミュージアムは、もちろん実物の戦艦大和を見られるわけではないのですが、かつて多くの軍艦が造られた呉の街に足を運び、しかも、空襲から70年目のちょうどその日に博物館を見学したことは、私にとっては貴重な体験となりました。奇しくも、行われていた特別展は、偶然にもハワイで実際に見てきた戦艦ミズーリに突入する神風特攻隊のゼロ戦の写真などでした。
 改めて考えるまでもなく、あのミズーリと大和は同じ時代に作られた船なのですね。オアフ島で訪れたパールハーバー、アリゾナミュージアム、そしてミズーリ。それにこの呉市の大和ミュージアムが結びつき、これまで私の中で一つ一つの点であったものが線で結ばれたように思えました。

小さいようで実は巨大な大和。案内のお姉さんと比べるとその大きさが歴然ですね。

原爆ドーム
 初めて広島を訪問した際にも訪れた原爆ドーム。今回は非常に雲行きが怪しい中、短時間での訪問でした。前回はたくさんの人がいたためゆっくりと見ることもままならなかったのですが、今回は時間のせいか、それとも天気のせいか、人気もまばら。10年前も可能な限りでじっくりと見て回ったとは思うのですが、改めて訪問し、かつ、その間に自分も多くの経験をしたせいか、いろいろと考えさせられながら一周ぐるりとまわってきました。かつては、「負の世界遺産」はこの原爆ドームとポーランドのアウシュビッツの2つだ、そういわれることもあったのですが、もちろん明確な定義などはなく、現在は、ビキニ環礁の核実験場跡やオーストラリアの囚人遺跡群なども含めることもあるそうです。

 負の遺産の定義などはどうでもいいことなのですが、トリップアドバイザーの2015年度「外国人に人気の観光スポットランキング」では、この原爆ドームは京都の伏見稲荷大社に続いて2位となっておりました。人気の観光スポット!というと、個人的にはなんだか適切ではない表現だとも思ってしまいますが、2014年度には広島平和記念資料館が1位に選ばれていることも考えると、世界中の多くの方が、恒久の平和を祈願しているのではないかと思います。いや、そう信じたいです。そんな原爆ドームですが、掲示板に「ドローンなどの小型無人機は使用できません。広島市」との注意書きがされておりました。広島市公園条例の「迷惑行為の禁止」に該当するからとの理由とのことですが、こんな注意書きを出さないといけないほど、我々のモラルが低下してしまっているのか??その注意書きの背後にある、社会の乱れやモラルの欠如のほうを憂いてしまいました。

宮島
 こちらも初めて広島を訪問した際に行った場所です。その時も原爆ドーム、そして宮島の順で移動しました。もちろん、観光だけが目的であった前回とは違い、すでに暗くなってから到着した宮島

宮島は相変わらず多数の鹿がおりました。
観光客は外国人の数が目立ちしました。
もみじ饅頭、実は大好きです☆

前回は弥山に登山した帰りに眺めたライトアップされている大鳥居ですが、今回は到着直後からその美しい姿を目にすることになりました。自分は2回目の訪問であったので、初めて訪れた同僚たちのペースで島内を散策しました。まずはもみじ饅頭の専門店での試食、そして気に入ったものを購入して店内の休憩スペースでお茶を頂きながらたっぷり堪能…そんなことをしながら歩いていると、あることに気が付きました。私たちはどんどんと島内中心部に向かっております。だけど、人の流れは完全にフェリー乗り場に戻る方々のみ。土産物屋もほとんど店じまいをしており、一部の飲食店が開いているのみ。そこで気が付いた私。帰りのフェリーの時間は何時?と。こういう時に便利なのがスマホだと実感…なんて感心していると、最終便は20:15。その前にもあと2便があるのみ。調べてよかった!と、いうわけで今回は厳島神社の前で写真を撮り、すっかりライトアップされた大鳥居を見ながら、往路とは違う海沿いの参道を通ってターミナルに戻りました。ここまでは全く雨に濡れなかったのですが、広島駅近くまで移動したとたんに一気に降り出しました。まさに不幸中の幸いです。

グルメ
 学会参加のためほとんど身動きができず、結局、朝はホテルのビュッフェ、昼は学会会場で購入する弁当。夕食のみ自分たちで選んでの食事でした。で、広島と言ったら、やはりお好み焼き。と、いうわけで1日目の居酒屋さんでもお好み焼きを注文しましたが、とっても残念なお味。リベンジで翌日はお好みや焼きがメインという雰囲気のお店に入りました。狭いお店でしたが、メニューはお好み焼き以外にも充実しておりましたし、念願のお好み焼きも満足できるお味でした。

左右は学会で事前注文したお弁当。
広島らしく、カキフライやもみじ饅頭も
入っておりました。
ザ・広島風お好み焼き!
食べやすい大きさにカットされていたこともあるけど、淡泊な味わいが
印象的でったアナゴ丼でした。

 3泊目は、すっかりと暗くなった宮島の帰り道でアナゴ料理の専門店を見つけて入ることに。入口に、「本日アナゴ入荷」という貼り紙がされておりましたが、入荷のない日もあるのでしょうか?それとも、昔のパンチコ屋さんと同じで毎日が「本日開店」という感じ!?なんて話を同僚としながらお店に入りました。
 正直、アナゴは好きではない私。正確に言うと、海釣りに行った際に1メートルほどの巨大アナゴを釣り上げてしまい、その引きの強さ、海面から上がるときの蛇のような動き、そして見た目のグロテスクさにノックダウンされてしまってから、お寿司屋さんでもアナゴだけは食べられない状態になってしまっていたのでした。
 ですが、今回ははいったお店のアナゴは食べやすいサイズにカットされていたため、過去の記憶が蘇ることもなくいただくことができました。アナゴの専門店って始めた入りましたが、ウナギと比べると実に淡泊なんですね。秘伝のタレとの絶妙なバランスが最高でした〜!ただ、さんざんもみじ饅頭を食べた後なので、そんなたくさん食べたいという気持ではなかったのも、また事実です^^;

おまけの新幹線さくら
 新幹線なんて高校の修学旅行で京都から東京まで移動したに乗っただけ。まあ、北海道に住んでいるとそうなってしまいます。では、なぜ今回新幹線に乗ることになったかというと、前日の宮島帰りの雨とも関係しております。一晩中降り続いた雨はやむこともなく、広島空港に到着すると御覧の通りの霧。視界なんてあったものではありません。もとより、高所にあり霧の影響を受けやすいとのことで悪い意味で有名だった広島空港ですが、実は、2015年4月にアシアナ航空機が、標準よりも低い高度で着陸を行った結果、滑走路手前325メートルの西側滑走路用のローカライザのアンテナに接触し、ILSが破損し使用できなくなってしまったのでした。その影響をもろに受けてしまったのが今回の帰りの便。羽田からの到着便が着陸できずに岡山にダイバート。もちろん、私たちが乗る予定の折り返し便は欠航です。欠航のアナウンスが流れたとき、すでに制限エリア内におりましたが、みなカウンターに逆戻りです。私たちが制限エリア外に出たときにはすでに長蛇の列。まあ、羽田便が欠航なので100名以上が列をなしていますから。不幸中の幸いで、ANAのSFC会員なのでプレミアムカウンターに行き、すぐに次の便に振り替えてもらいました。

左は制限エリア内から滑走を映したもの。視界なし^^;タブレットで随時状況を確認しました

 では、なぜ新幹線に乗ることになったのでしょうか?それは振り替えた便も着陸できず、羽田に引き返してしまったから。再度のアナウンスの後、空港内に響き渡るため息ともにカウンターに直行。今回は、万が一を考えて別の帰る手段を考えていたんです。それは岡山空港発の便に振り替えてもらうこと。岡山にダイバートしたり、羽田に引き返しているなら、その両空港を結ぶ便は無事に飛んでくれるはずです!

上の三枚の切符の順で移動。まさに分刻みの乗り換えで無事に岡山空港まで到着!

そのためには、この後すぐに出発する空港連絡バスで福山駅へ移動。そこから新幹線さくらで一駅の岡山駅へ移動。岡山駅からは再び空港連絡バスで岡山空港に移動。これで岡山に到着するはず。実際成功したのですが、福山でのバスから新幹線への乗り継ぎが5分間。その間でバス停から駅舎まで走り、切符も購入。ホームに上るとすぐに列車がやってきました。もう汗がたらたら。当然自由席ですが、座ることができました。と、言っても我慢していたトイレにいって席に戻ったらほどなく岡山到着のアナウンスが。新幹線の速さを痛感しました。岡山駅は2014年に出張で利用したことがあったので、駅舎内の移動もバスターミナルへの移動も記憶に残っておりました。ごく短時間でしたが、これまた記憶にあった最寄りのコンビニまで移動して冷たい飲み物を購入することも可能でした。今回の乗り換えは、すべてスマホを使ってヤフーの路線案内で調べたものですが、非常に便利だと思った反面、まったくの初めての場所でしたらこんなタイトな乗り継ぎは無理だったのでは?と思ってしまいました。特に、バスが絡むと数分の遅れが致命傷になってしまいますからね。


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